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見世物小屋

超短文書き散らしブログ

   

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010. 十個目の嘘(絶望先生 / 可符香と望)








やだなぁ先生、世界に絶望なんて無いんですよ?あるのはいつだって希望ばかりなんです、だって神様がそう仰ってますし。神様は先生をいつも先生を見てるんです、だから先生が思う絶望なんてただの気のせいなんですよ。


彼女は今日もいつもと同じあの作り物染みたきれいな笑顔で、歌う様にすらすらと言葉を紡ぐ。何の不快感も与える事無くするりと耳から入り込んで来る、音楽の様なその声に思わずうっとりと耳を傾けそうになってしまうが、彼女の深い深い底無しの穴の様な真っ黒な瞳がじいっと僕の目を覗き込んでいるのに気付いて、はっと我に返った。完璧な、完璧な少女。彼女を神の子だと、そう呼ぶ者たちも居る。しかしかわいらしい笑顔と美しい鳥の囀りの様な声とは裏腹に、何の感情も見出せないその深い闇色に背筋が寒くなるのだ。

思わず「風浦さん」と呼び掛ける事で彼女の言葉を遮って咄嗟に立ち返った現実で、それでも彼女はまた歌う様に「何ですか?」と問い掛ける。張り付いたままの笑顔。本当の名前も、笑顔も、彼女にとって何の意味も持たない。全てが彼女自らが創り出したもので、そしてそうやって自分自身すらも偽り続ける彼女はいつだって、正しい。


 

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