見世物小屋
超短文書き散らしブログ
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015. 祭の後(テニス / ダビデ×亮)
双子誕&ダビデ誕に何も出来なかったので…
晩秋の暗い浜辺には身を切る様な冷たい海風が吹き荒れていて、余りの寒さに、天根は思わず首にぐるぐる巻きにしたマフラーを口元まで引き上げた。木更津家の双子と2日しか違わない為に毎年合同で祝われている誕生日祝いの日に、こんな泣き出したい様な気持ちになる様になったのは、一体いつの頃からだっただろう。
たった2日。たった2日なのだ。
せめて2日”前”に生まれていたならば、2日間だけでも彼と…亮と同じ年齢として、肩を並べる事が出来たのだ。そうする事で彼と対等になれるのではないかと、そんな気がしていた。それが”後”に生まれてしまった事によって、永遠に彼に追いつけない様な錯覚に囚われてしまう。いつまで経っても弟扱いで、それ以上に見てもらえない様な…そんな、錯覚に。
ほんの僅かな間同じ年齢になったが為に対等になれるだなんて、そんな考えこそが錯覚なのだと、本当は知っている。時間にしてたった48時間程度の、深い深い溝。長い黒髪をなびかせて、目の前を軽やかに走る華奢な背中の残像には、どんなに手を伸ばしても決して触れる事は叶わない。
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