見世物小屋
超短文書き散らしブログ
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024. 今日の雨は冷た過ぎる(鰤 / 一角×弓親)
以前に書いた「壊音、凛として」という角弓の話があるんですが、それの後日談というか何というかまぁそれっぽい物です。多分そっちを読んでからでないとさっぱりな話だと思います。
いずれにせよ、元ネタが根暗猟奇死ネタっていうアレな感じ特盛りなので、こっちもそのつもりで読んで頂ければ。結局、どっちにも救いの無い話なんだよなこれ…。
今でも、時折夢に見る。
真っ暗な闇の中に浮かび上がる、真っ白なもの。こんな豪雨の夜には必ずと言っていい程夢に現れるその情景は、長い時を経た今でもつい昨日の事の様に、鮮明に思い出せてしまう。
『僕らはこんな業の深い生き方を選んだ時点で、そうなるべくしてなる運命をも同時に背負ってるんじゃないかな?因果応報、ってやつだよ』
ならば…これは、何の報いなのか。何の罰なのか。
激しく叩き付ける雨音が、あの情景と、”彼”の記憶を連れて来るのだ。どんなに暗闇に目を凝らしても、雨の弾幕の向こうに耳を澄ませても、もう二度と”彼”が戻らない事など分かりきっているのに。弾丸の様な雨粒が冷え切った身体を突き刺すその微かな痛みがあの日のそれと重なって、撃ち落とされて濡れた地面に無残に張り付いた白い白い桜の花びらが闇の中に浮かび上がって見えて、”過去”と”今”の境界すら曖昧になって、
そして、落ちた腕を幻視する。
まるで呪縛の様に幾度も幾度も繰り返される、豪雨の夜の情景。”彼”は、本当にただ己の美学を貫く為だけに跡形も無く消えてしまったのだろうか。今となってはもう分からないが、自分の事を何もかも忘れて欲しかったのだろうか。それとも…忘れさせない為に、こうしたのか。
結局、自分は何の覚悟も出来てはいなかったのかもしれない。”2人”で居た時間が余りに長過ぎて、それが当たり前過ぎて、”いつか失う”のも当たり前の事だったのに、そんな日が来るという事を考えもしなかった。いや、分かっていたからこそ、あえて考えようとしなかった。だから、囚われている。囚われ続けているのだ。
叩き付ける豪雨の中、立ち尽くす足元を白い白い桜の花びらが埋め尽くす。真っ暗な闇に浮かび上がる、真っ白なもの。
雨粒の砕ける音、音、音。
